プラントマンの冒険の書

工場勤務、妻子持ちリーマンのマネーリテラシーを探す冒険

標準報酬月額とは

3、4、5月は残業しない方が良いと聞いたことはありませんか?これは「標準報酬月額」が関わっているからです。
この記事では「標準報酬月額」について書きます。

 

結論
・4,5,6月の給与で「標準報酬月額」
 が決まり、この金額により1年間の
 「社会保険料」、「厚生年金保険料」
 が決定される。
・「標準報酬月額」が高くなると
 「社会保険料」、「厚生年金保険料」が。
 上がる。しかし、「老齢厚生年金の
 受給額」も上がるので損とは言えない。

 

 

①標準報酬月額とは

標準報酬月額とは、会社員の月々の給与を「健康保険料:1~50等級」、「厚生年金保険料:1~32等級」の区分に分けて表したものです。

この標準報酬月額に応じて、1年間の「健康保険料」、「厚生年金保険料」が決まります。実際に支給された月給額から「健康保険料」等が決まるわけではありません。

なお、老齢厚生年金額(65歳以降に受給される年金)は厚生年金保険料により計算されますが、厚生年金保険料の標準報酬月額の上限は65万円(32等級)のため、例えば月給額が100万円でも標準報酬月額65万円として計算されます。

②標準報酬月額の算出方法

標準報酬月額は毎年4、5、6月の3ヵ月間の給与を平均して、標準報酬月額表に当てはめて決められます。標準報酬月額の算出の対象となるものは下記になります。

標準報酬月額算出の対象

・基本給
・役職手当
・残業手当
通勤手当
・家族手当
・住宅手当
*臨時に支給されるお祝い金、お見舞金、
 出張費、賞与(年3回以下)は対象外

計算例 ・2022年度、東京都の35歳会社員
月給額 4月:29万円、5月:31万円、
     6月:32万円

①平均月給額(29+31+32)÷ 3ヵ月
  = 30.6万円

これを標準報酬月額表に当てはめると、
②標準報酬月額30万円22等級(19等級)
・健康保険料:14,715円/月*
・厚生年金保険料:27,450円/月

補足)保険料は会社と会社員が半分ずつ
   負担する(労使折半)
健康保険組合によっては会社の方が
 多く負担する場合がある。

出典:全国健康保険協会 令和4年3月分(4月納付分)

③標準報酬月額の決定、改定

1. 資格取得時決定
  就職した際その方が今後受けるであろう
   報酬の額より決定。

2. 定時決定
  毎年7月に改訂(4~6月の給与を元に)
   9月~翌年8月まで適応。

3. 随時改定
  賃金に大きな変動があり、2等級以上
   の差となった際に改訂。

4. 育児休業等終了時
  育児休業が終了した際に改訂。

 

④標準賞与額について

年3回以下の賞与は標準賞与額を算出して、健康保険料、厚生年金保険料が決まります。なお、年4回以上の賞与は標準報酬月額の対象となります。

標準賞与額の上限は、健康保険は年間573万円(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額。)となり、厚生年金保険は月間150万円となります。

計算例 ・2022年度、東京都の35歳会社員
賞与額 1,500,300円
1,000円未満は切り捨てして保険料を掛ける。
これを標準報酬月額表に当てはめると、
・健康保険:1,500,000円×9.81%
 =147,150円
 会社員負担は73,575円*

・厚生年金:1,500,000円×18.3%
 =274,500円
 会社員負担は137,250円


補足)保険料は会社と会社員が半分ずつ
   負担する(労使折半)
健康保険組合によっては会社の方が
 多く負担する場合がある。